BLUEBIRD
-忍とのご対面-
ですが、下を見ずに歩いていたため、小石に躓いて派手に転んでしまいました。
慌てて駆け寄ってきた幸村はを起き上がらせて、怪我がないか確認します。
「怪我はないな?」
「はい」
足首が痛いけど、別に平気かな。と思い、はうなづきました。
「そうか、ならよかった。」
幸村はほっと一息つき、再び歩き始めました。も続きましたが、足をひょこひょことして歩いています。
本人はその気はなくても、鳥だったときのがあるのか、無意識に怪我した足を庇っているのです。
振り返った幸村が目を見開きました。
「馬鹿!怪我をしているなら言え!」
怒りをあらわに幸村が叱りました。は先程の"殺気"を思いだし、震え上がりました。
「ごめん…な、さい…」
「あ…その、怒鳴ったりして悪かった」
幸村がバツの悪そうな顔をして謝りました。
「ただ、俺はが心配だったから怒鳴ったんだぞ?」
「は…い」
すると、大きな手のひらがの頭に置かれて撫でられました。
なんだか懐かしいような感覚には心地よさそうに目をつぶります。
「すまんな?」
「はい…」
不思議と恐怖心は抜き取られて、は不思議に思いました。
幸村の手は不安を取り除くのかもしれない、とは思いました。
「は危なっかしいからな、俺がおぶっていく。」
「え…?」
「ほら、乗るんだ。」
は言われるがままに背中にのり、おぶられました。
まわりの人々は、幸村が奇妙な髪色の少女をおぶっているということで、好奇の視線を送っています。
「旦那。」
迷彩柄の服をきた男が突如幸村との前に現れました。本当に突然。
「おお佐助!」
「その子だぁれ?」
幸村の肩越しにを凝視します。は反射的に幸村の大きな背中に隠れます。
「森で見つけたのだ。」
「ずいぶんと変な髪色だね。」
「それは俺も思った。」
「んで今からお館様のところ?」
「うむ。」
そろりと顔をのぞかせて、佐助と呼ばれた男を見ますが、既にいませんでした。
はきょとんとしますが、幸村が歩きだすと、どうでも良くなってしまい、考えることをやめました。
心地よい体温に、心地よい振動に、いつしかの瞳はうつらうつらとまどろんで行きました。
やがて、静かに寝息を立てて幸村の背中で眠りにつきました。
「…寝ている?…やはり他国のものではなさそうだな。」
の寝息を聞いて、幸村がに抱いていた不安を少し取り除きました。
やはり素性の知れない、珍しい色の髪の毛の女なんて、信用できないんでしょう。
少し微笑みを浮かべて、ため息をつきました。
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