Brand New Morning
-聖都ウェンデルにて-
聖都ウェンデルは、人で賑わう、何処か懐かしさを覚える所だった。
緩やかな坂を上ると、厳かな神殿が聳え立つ。神殿を見上げて、それぞれ感嘆のため息を漏らした。
「さあ、の服と武器を新調しよう。」
デュランがやけに張り切りながら武器屋へと向かった。
それにが続き、そしてアンジェラ、リース、シャルロットが続く。
扉を開けて、武器屋へ入ると、デュランが武器を熱心に見つめてなにやらぶつぶつ言っている。
時々店員と言葉を交わしたりしている。
「はどんな武器にするの?」
「三節棍にしようかな、って。昔ちょっぴり使ってて。」
昔、お小遣いをためてこっそりと買った三節棍を我流で扱っていたことがあった。
結局母に見つかり、こっ酷く叱られた挙句、没収された。何故取り上げられたかは今もわからない。
「三節棍なんて、結構マニアックね。でも、が使いたいならそれでいいんじゃない?聞いてみたら?」
「うん、ちょっと聞いてくるね。」
小走りに店員の許へと駆け寄り、尋ねる。
「あの、三節棍あります?」
「珍しいのをお望みだねぇ。あるよ、ラスト1個。」
確かに、三節棍を扱っている人を見たことがない。だから、在庫も少ないのだろう。
フレイルを使っていたいが、兄の力に頼っているようでなんだか申し訳ない。
財布を取り出して、金額を丁度支払い三節棍を受け取る。なかなか上質そうだ。といっても、素人目から言ってだが。
「よかったな、。」
近くにやってきたデュランが笑顔での肩を叩いた。は頷き、「デュランはなんかあった?」と尋ねる。
「うんにゃ、ないな。まあ、俺はいいんだよ。次、服だよな?」
「うん。」
「じゃー防具屋いくか。」
「あたしもおニューの服欲しい!」
アンジェラが武器屋を出る際に言った。アンジェラの服は、その出る所でて、へこむ所へこんでいる
体型を十分引き立てている露出の多い服だ。もう少し布の面積を多くして、あえてその体型を隠すのか。
それとも…。
「もっと服の面積狭くしたい…」
「それ以上狭くしてどうするんですか!!」
リースが顔を青くしてご尤もなツッコミをいれる。
そういうリースも、なかなか際どい所まで露出しているのだが。
「もっと狭い方が男の視線を集められると思うんだけど?」
「ほんとうのびじょは、そんなことしなくてもしせんをあびちゃうでち!」
シャルロットがふふんと鼻を鳴らして優越感に浸る。そういえば、シャルロットは本当に視線を集めているような…。
なぜ。まさか幼女趣味?まさかぁ…は顔を青くして乾いた笑い声をあげた。恐るべし聖都ウェンデル。
因みにデュランはこの手の話には入り込めないので、沈黙を決め込んでいた。
やがて防具屋にやってきた。理緒はきょろきょろと店内を見渡し、自分好みの服を探す。
柄だけよくても、性能がよくなければ駄目だ。しかし、性能が良くても柄が駄目駄目な服でも駄目だ。
だって女の子、そこらへんはこだわる。うーんと唸って迷っていると、アンジェラが「あっ!」と声を上げて
駆け出した。
「これ、どう?」
アンジェラが目を輝かせて指差す。その先を見てみると、殆ど下着に近い服が飾られていた。
リースがまた顔を青くして「寒いですよ!」と今度はズレたツッコミをいれた。
「あ、あたしこれがいいかも…。」
が展示されている服を指差して顔を高潮させる。一同が指差された先を見ると、そこには
トランプから飛び出てきたかのような服があった。赤と白を基調とした上に、下はカボチャパンツだ。
こういうのが好みらしく、はもっと顔を赤くさせて興奮しながらも「可愛くない!?」と鼻息荒く言う。
「これに決めた!すみません!これくださーい!」
可愛いね、と口を開きかけた皆を放って、が店員を呼んだ。随分と興奮しているようだ。
苦笑いを浮かべつつも、(ああいうのが好みなんだ)と思ったデュラン、アンジェラ、リース、シャルロットであった。
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