消えない灼熱の華




朝日に起こされて、は目をゴシゴシこする。もう朝かぁ…。
ぐっと伸びをして、上体を起こす。
ふと昨日の情事を思い出して顔を赤くする。激しかった…なぁ。
両手で顔を覆い照れていると、横で蘭丸がもぞもぞと動き、やがて起き上がった。

「あ…おはよう、様。」
「おはようございます蘭丸君。」

おはようの接吻を交わし、視線が絡むとお互い笑い合う。
一頻り笑いあった後、蘭丸がの鎖骨についたものに気づきあっ、と声を漏らす。

「それ、昨日ので…」

鎖骨には、昨夜の一件で付けられた灼熱の華があった。
蘭丸に続き気づいたは一気に顔を赤くして慌てて隠す。

「あーうー、蘭丸君。消えないじゃないですかぁ…。」
「その…ごめん。夢中だったから、つい…。」

蘭丸が照れ笑いを浮かべて頭をかいた。はもう、と頬を膨らませて蘭丸に寄りかかる。

「どうせ数日間消えないんだから、見せ付けちゃおうよ。」
「えー、いやです!絶対いやです!」
「そんなこといわないでさ!ね?」
「幾ら蘭丸君の頼みでも聞けませんっ。濃姫様とかに見つかったらなんていわれるか…。」
「うーん。確かに。でも隠せないよね…?」

二人してうーんと唸り、思考をめぐらせる。どう考えても隠し通せない。

「…仕方ないですね。気乗りはしませんが、このまま何事もなかったように振舞います。」
「ほんと?なんかうれしいなぁっ。様は僕のものって感じで!」
「何言ってるんですか、私は蘭丸君のものですよ。その代わり、蘭丸君は私のものです。」
「…可愛い。様可愛い。ねえ、もういっこつけてもいいかな?」
「却下です!」