下手な愛情表現




いつでも一緒にいたいって思うのはなんで?誰よりも近くにいたいって思うのはなんで?
あなたの一番になりたいって思うのは何で?ちゅうしたい、えっちなことしたいって思うのはなんで?

はい!好きだからだと思いまーす!

そう、そうなんです。好きだから、そんなこと考えちゃうんですよね!
不安なことだらけだけど…でもね、顔見るとそんな不安どっかに消えちゃうんだよ。
好きで好きでたまらないよ…ねえ、私がこんなに君のこと好きなの、知らないんでしょ?



?」
「あれ!?ルック!わ〜いま会いたかったんだ!」

だってね、いままさに君のこと考えてたんだもん。
むかつくぐらいかっこいいその顔に、むかつくぐらい可愛いその性格。もう、全部大好きなんだから!
私の言葉を聞いてほんのり顔を赤くして、しかもむっとした表情で「あっそ」ってクールぶるところも
いいと思う!本当は…嬉しいんだよね?私は知ってるよ。

「いまからどこいくの?」
「ちょっと図書館。」
「一緒に行っちゃ駄目?」
「別に構わないよ。」
「やった!」

ルックの横に並んで一緒に図書館まで行く。私よりも足の長いルックは、私よりも歩幅だって大きい。
だから、必然と歩いていると距離が開くんだけど、ルックは実は優しいから…いつでもあたしに合わせてくれるの。
そういうところも、大好き。心の中で惚気ている間に、ほら、って言って手が差し出された。つまり、手を繋ごう。
の合図。差し出された手は白くて、細くて、おっきくて、節くれ。私の大好きな、ルックの手。その手を掴んだ私の手は
ルックみたいに綺麗な手じゃないかもしれないけどね、私の手をとっていいのはルックの手だけなんだから。
これからも、ずっとルックと手を繋いでいけたらいいって思うの。

「なんでそんなににやけてるのさ?」
「なんでもないっ!」
「全く…。変なヤツに思われるよ。まあ、もう思われてると思うけど。」
「なによー!バカルック!」
「何とでも言いな。」

私よりもちょっぴり背の高いルックをにらみつけると、ルックは呆れたように笑ってて、でもその笑顔も
すっごく綺麗で、かっこよくて、私は思わず顔が赤くなって、その横顔に夢中になったの。

「あ」
「え?…ふぎゃっ!」

目の前に大きな石があることに気づかずに、見とれっぱなしだった私は見事に石につっかかっちゃった。
でも…ルックがすかさず私の目の前にきて、すかさず転びそうになった私を抱きとめてくれたの。

「手間がかかるなあ…。もっとしっかりしてくれなきゃ困るよ。」
「ごめん…。」

ルックの言い分はもっともだから、しゅんとなりながらも謝る。こんなんじゃ迷惑だよね…。

「君はしっかりしないんだから、僕が傍にいてやんなきゃ駄目じゃないか。」
「え…」
「これからも傍に居てあげるよ。こんな危なっかしいの、ひとりにできやしない。」
「る…るっくう…」

今の言葉きゅーんてきたよ!抱きしめられたままだから、顔はわかんないけど、きっと真っ赤なんでしょ?
不器用なくせに、普段こんなこと言わないくせに、不意打ちだよ!ばかあ!

「ずっと、護ってあげるからさ。」
「るっく…大好き。」
「はいはい。」
「はいはい、じゃないよ。ルックは?」
「………………き」
「え?」
「ああもう!好きだってば!!」

吹っ切れたみたいに叫んで、私の肩を掴んで離した。そして…綺麗な、かっこいい、すっごい大好きなルックの顔が
私の顔に迫ってきて、くちびるとくちびるが触れ合ったの。これって…ちゅう?はじめてのちゅう?

「わかった?」

顔を真っ赤にして、不機嫌そうな顔をしたルックが、私に問いかけた。

「…はい」

顔が熱い。しかも、何でかしんないけどなみだ目になる。一気に力が抜けて、へたって地面に座り込んだ。
いま、ちゅうしちゃった。大好きなルックと。しかも、ルックがぶちゅって…。
私が放心してる間に、ルックはまた「世話が焼けるなあ」ってぶつぶつ言いながら私を立たせる。

「ルック?」
「なに?」
「いまにしたの?」
「……さあね」

愛情表現めちゃくちゃ下手なくせして、やるんだから!
これだから、ルックはやめられない。…やめる気なんてないけどね。
ルック大好き!