待ち焦がれていた平和、一時の平和でも、掴み取りたい。その願いから集結した星達。
そして、星達と共に手を取り合って勝利へと導いた私。
あの頃は、とても楽しかった。
戦争中ではあったが、沢山の人とのふれあいは私に安らぎと微笑みを与えてくれた。
そして――――とも出会えて、愛しあえた。

でも―――――

あの人は死んでしまった。
最後に、罰の紋章を使い息絶えたの。
亡骸なんて残ってなかったわ。

私はその日から涙を流し続けた。
私はその日から喋らなくなった。
私はその日から笑わなくなった。

それから私は毎日ただ泣き続けて、泣きつかれたら寝る。
酷くやつれた顔だと思うけど、自分の姿なんて見てないからわからない。

毎日のように、スノウが私の家を訪ねに来てくれるわ。
今日あったこと、色々話してくれるけど、溢れる涙は止まらなくて
時々話の合間に服の裾で涙を拭ってくれて、でも涙は噴水のように溢れ出て
帰り際、必ずスノウは最後に、”ごめん”って呟く。

それはきっと、死んでしまったへの謝罪。
うわ言のようにあの人の名前を呟き、また涙を流す。















たった一言、君の言葉を聞けたなら









「こんにちわ、

今日もまた、スノウが私の家にやってきた。
片手には花束があって、それを静かに見ている私。

何故、何故は死んでしまったの?
彼は生きるべき人だったわ・・・
星を束ね、最後まで勇敢に戦った人なのに。

スノウを見ながらそんなことを考える。
これまで何回自分に問いかけた疑問だろうか。

「花、花瓶に入れとくよ」

穏やかに微笑んで花瓶の花を取り替える。

が死ぬくらいなら、私が死ねばよかったのに。

そう思うと、胸が縛られるように痛む。
そう、私がの代わりになれたなら、が今も生きていた。

・・・」

愛しい人の名を呟くと、途端涙が出てきた。

「ス・・・ノウ?」
「え!?ど、どうしたんだい!?」

私が言葉を発したことに驚いたのだろう。
危うく花瓶を落としそうになりながらもスノウが尋ねる。

「私が・・・」
「うん?」
「私が・・・・の代わりに死ねばよかったのにね」
「!?・・・・!」

スノウが驚いたような、悲しいような、よくわからない顔で私の名を呼ぶ。
死にたい。今の私の一番の願い。死んで、もう一度あなたの声がききたいの。
たった一度、あなたの声が聞けたなら。どれほど救われるのかな。

「そんなこと・・・いっちゃだめだ!」

花束を床に置き、横たわったままの私の身体を抱いた。
スノウは優しいんだね、私のことを大事にしてくれて、優しくしてくれて。

「いいんだよスノウ。それに・・・もう疲れた。のいない世界では所詮生きられない人なんだよ。」

少し自嘲気味に呟くと、スノウの身体が小刻みに震えた。

「だからさよなら。」

久々に微笑んだ。
そして、これが最後の笑顔。

もう一度あなたの声を聞きたいんだ。